シリア裁判所、アサド政権時代のイスラム法学者トップに終身刑

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デイヴィッド・グリッテン記者

シリアの裁判所は24日、バッシャール・アル・アサド前政権で大ムフティー(イスラム教スンニ派における最高位のイスラム法学者)を務めたアフメド・ハッスーン被告(77)に、内戦の扇動や意図的な殺人への共謀などの罪で有罪判決を下し、終身刑を言い渡した。

ハッスーン被告は、2024年12月に追放されたアサド前大統領がかつて支配していたシリアで、2005年から2021年まで大ムフティーを務めた。

国営通信SANAによると、首都ダマスカスの第4刑事裁判所は、ハッスーン被告が率いていた宗教関係省が、13年におよぶ内戦中、たる爆弾の投下を含む政権の軍事作戦や治安作戦の「隠れみの」として利用されていたと認定した。

現在のシリア暫定政権下で有罪判決を受けたアサド政権時代の人物は、これで10人目。ハッスーン被告は罪状を否認している。

2年前に反政府勢力によって政権を追われた後、ロシアに逃亡したアサド前大統領には、シリアの裁判所が今月11日、内戦中に戦争犯罪と人道に対する罪を犯したとして、欠席裁判で死刑判決を出している。

ハッスーン被告の裁判を担当したファクル・アルディン・アル・アリアン判事は法廷で、同被告については、2011年に発生したアサド政権に対する平和的な民主化運動を、政権が武力で弾圧したことから始まった一連の出来事を背景として、審理されたと述べた。この弾圧は13年にわたる内戦を引き起こし、60万人以上が死亡、1200万人が家を追われた。

SANA通信は、「裁判所は、ムフティー事務所をトップとする公式の宗教機関が、軍事作戦や治安作戦に宗教的な隠れみのを提供し、人口密集地域へのたる爆弾の使用を含む作戦を公に正当化するために利用されていたことを認定した」と報じた。

ある監視団体によると、アサド政権の2012年から2021年の間に、軍は爆発物などを詰めたたる爆弾を約8万2000発、反政府勢力の支配地域に航空機で投下した。これにより、1万1000人以上の民間人が殺された。

検察側は、ハッスーン被告が宗教的な講演や公開集会、声明やメディアのインタビューにおいて、民間人に対する暴力を扇動し、政権を支持したとして起訴した。

検察は、最大都市アレッポで戦闘が続いていた2015年に、被告がシリアのテレビ局のインタビューに応じた際の発言を引用。被告は、反体制派が支配する市東部から避難するよう市民に呼びかけ、「砲弾が発射された地域はすべて完全に破壊されるべきだ」と述べていた。

裁判所はまた、ハッスーン被告が「治安機関に拘束された民間人の釈放を確保する見返りに金銭や贈答品を受け取っていた」ことや、政権寄りの民兵組織「リワ・アル・クッズ」に定期的に資金援助を行っていたことを認定したと、SANA通信は伝えている。

ハッスーン被告は法廷で、インタビューの動画は文脈を無視して切り取られたものであり、自分は政権から人々を救おうとしたのだと述べた。

被告には、内戦と宗派間の争いを扇動した罪で終身刑が言い渡された。さらに、故意の殺人を扇動した罪で拘禁20年、故意の殺人に主犯として加担した罪で拘禁10年、職権乱用の罪で拘禁3年の判決も下された。

今月11日には、アサド前大統領と、弟のマーヘル・アル・アサド被告を含む元政権幹部7人が、人道に対する罪で有罪判決を受け、死刑を宣告された。しかし、被告の中で出廷したのは前大統領のいとこで、南部ダルア県の政治治安責任者だったアテフ・ナジブ被告だけで、他は欠席裁判となった。

翌週には、やはり前大統領のいとこで、政権派民兵組織の司令官を務めていたワシム・アサド被告にも、殺人などの罪で死刑判決が言い渡された。

一連の裁判は、内戦中の犯罪に対する責任追及に不満を抱く多くのシリア国民に、ある程度の正義をもたらした。一方で人権活動家たちは、判決に至るまでの過程について、より透明性を高めるよう求めている。

こうしたなか、アメリカ政府は24日、シリアに対して47年前から続けてきた「テロ支援国家」指定を解除した。併せて、アフメド・アル・シャラア暫定大統領が率いた反体制イスラム組織「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、シャーム解放機構)」に対する「グローバルテロ組織」指定も解除した。

「ヌスラ戦線」として知られたHTSはかつて、イスラム武装組織アルカイダの直系組織だったが、2016年にアルカイダとの関係を断った。2024年に反政府勢力を主導してアサド政権を打倒し、現在はアル・シャラア暫定政権で支配的な立場にある。

アメリカは昨年、HTSを「外国テロ組織」リストから、アル・シャラア氏を「特別指定国際テロリスト」リストから、それぞれ除外している。

スコット・ベッセント米財務長官は、「本日の措置は、政治的・経済的安定を促進するための、シリアへのさらなる投資の後押しにつながるだろう」とした。