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長引く干ばつでチーズなどの生産規制を緩和、フランスの原産地表示当局
ヒュー・スコフィールド・パリ特派員
フランス当局はこのほど、チーズの製造に関する規制の一部を一時的に緩和すると発表した。長引く夏の干ばつにより、乳牛の飼料となる牧草が激減したことを受けた措置。
政府は26日、フランス東部の山岳地帯で生産されるアボンダンス、ボーフォール、コンテといったチーズの製造業者に対し、特例措置を認める政令を発表した。
他のいくつかのチーズも同様の免除措置を受ける見込み。これにより畜産業者は、厳格に定められた区域外から持ち込んだ牧草や干し草を、家畜の飼料として利用できるようになる。
対象となるチーズには、カンタル、ブルー・ドーヴェルニュ、フルム・ダンベール、ブルー・デュ・ヴェルコール=サスナージュ、ルブロション、ヤギ乳から作るロカマドゥールなどが含まれる。
フランスの原産地表示を管理する国立原産地・品質研究所(INAO)は、夏の暑さの影響を考慮し、他の保護対象農産物に関する規則の一時的な変更も承認した。
恩恵を受けるのは、ノルマンディー産の蒸留酒カルヴァドスやシードルの一部、アルザス産の発泡性ワイン「クレマン・ダルザス」、ポワトゥー=シャラント産のラム肉、そしてレーヌ=クロード産のプラムなど。
フランスでは、原産地証明のある製品は高値で販売できるが、生産地や生産方法が厳しく規制されている。
この証明は、チーズやワイン、その他の食品の独自のアイデンティティーを維持するためのもの。フランスでは、食品は生産地のテロワール(地域性と伝統を結びつける概念)と結びついていると考えられている。
INAOは今年の干ばつは「歴史的」なものだとし、短期間ながら規則の緩和を認めた。
たとえば、アルプス地方でアボンダンス・チーズを製造する業者は、家畜の飼料における放牧草の割合を50%から15%に減らすことが許可される。また、地域外から飼料を輸送して使ったり、一部の補助飼料を使用したりすることも可能になる。
また、フランス東部ジュラ山脈でコンテ・チーズを生産する人々は、これまで牛に与えていた地元の青トウモロコシを、他地域産のトウモロコシに換えることができる。
フランス法および欧州連合(EU)法では、異常気象の期間にはこうした例外措置が認められている。同様の措置は、2022年の干ばつ後にも導入された。
今後、これらの変更がチーズの味や品質、あるいは生産量や価格設定において、目に見える変化をもたらすかどうかが注目される。
長期的に見ると、これらの措置は、フランスをはじめとする各国における既存の原産地表示制度の存続可能性について疑問を投げかけるものとなる。
一方で、気候変動によって特定の食品が従来の産地で生産できなくなるとすれば、テロワールの概念は限界まで引き伸ばされることになるだろう。