世界の海面水温が観測史上最高 エルニーニョ発達

太陽が海に沈む。空は濃い赤色に染まり、太陽を背に、海を航行する船のシルエットが浮かび上がる。

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マーク・ポインティング 気候担当記者

欧州連合(EU)の気象情報機関は24日、世界の海面水温が22日に観測史上最も高い21.1度に達したと発表した。人間の活動による気候変動や、太平洋赤道域でのエルニーニョ現象の発達が、海の水温上昇に影響している。

EUの「コペルニクス気候変動サービス」によると、極地を除く地球上の海の平均表面温度が、22日に21.1度に達した。これは、2024年3月に3日間記録された21.09度をわずかに上回るほか、この時期の平均気温をはるかに上回る。

海水の温度上昇は、異常気象の激化、海面上昇、海洋生物への被害など、広範囲にわたり影響を及ぼす可能性がある。

「今回の記録によって、海洋がますますストレスにさらされていると明示する材料が、また一つ増えた」と、欧州中期予報センター(ECMWF)副所長のサマンサ・バージェス博士は話す。

「エルニーニョ現象による温度の上昇もあるが、数十年にわたる人為的な温暖化の上に重なる形で起きている」

1979年から2020年までの日別平均海面水温を示すグラフ。2026年はほぼ最高水準を記録しながら上昇を続け、8月下旬に21.1度に達したことを示している

このデータは、ブイ、船舶、衛星から測定した水面下10メートルの海水温に基づくもので、測定値を組み合わせて世界的な推定値を作成している。

過去の最高温度と今回の最高温度の差は今のところわずかで、世界的な推定値には常に不確実性が伴う。それでも、科学者たちによると、今回のタイミングがとりわけ注目されるという。

世界の平均海水温は、南半球の夏の終わりにあたる3月か4月に年間ピークを迎える傾向があり、8月ではない。そして南半球は北半球よりも海の表面積が広いため、平均海水温に大きな影響を与える。

しかし、現状ではエルニーニョ現象の予想ピークにはまだ程遠い。それにもかかわらず、すでに海洋が非常に高温になっていることを、科学者たちは特に懸念している。

エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなる現象。これほど広範囲で海水温が上昇すると、通常は地球全体の平均気温も急上昇する。

エルニーニョ現象は、12月下旬まで勢力を増し続けると予想されている。科学者たちは、ここ数百年の間で最強のエルニーニョ現象になるだろうと警告している。

これによって、海水温はさらに上昇する可能性がある。

「すでに記録を更新しているという事実が、いかにエルニーニョ現象が強力になっているかを、早々に示している」と、英サウサンプトンにある国立海洋学センターの上級研究員、ジェレミー・グリスト博士は言う。

「他の条件がすべて同じなら、2027年の3月か4月には再び海水温の記録が更新される可能性がある」

ラニーニャ現象が発生していた2025年12月の太平洋の海面水温を色分けした図と、エルニーニョ現象が発生している2026年7月の同様の図の比較。昨年12月の赤道周辺は水色で、今年7月の赤道周辺は濃い茶褐色で表示されている

エルニーニョ現象が発生する太平洋の海域から遠く離れた海域も、イギリスやヨーロッパ周辺を含め、非常に水温が高い。

英プリマス海洋研究所の科学部長を務めるティム・スミス教授によると、イギリス海峡の西側では3年以上にわたり、海洋熱波がほぼ連続して発生している。7月には平年より7度高い水温を記録したという。

「これは前例のないことだ」と同教授は言う。

科学者たちは、高い水温がこれほどまで地球全体に広がっている事態は、人為的な気候変動が世界の海洋に及ぼす影響の拡大を明確に示すものだと指摘する。

人類が排出する温室効果ガス(主に化石燃料の燃焼による)は、過剰な熱を地球に閉じ込める。その過剰な熱の90%以上は、海が吸収している。

「最新のコペルニクス・データは、海水温が上昇しているという、気がかりな傾向を裏付けるものだ」とスミス教授は言う。

海水温の上昇は、より極端な気象現象を引き起こす要因となる。海水温の上昇で、暴風雨の水量とエネルギーが増すこともある。沿岸部の一部地域では、海風の冷却効果が弱まり、陸上の熱波を激化させる可能性もある。

水温が上がると海水は膨張する。すると、水位の上昇や、沿岸部の洪水リスク増大につながる。海水温の上昇は、サンゴ礁などの海洋生物の生息環境に壊滅的な被害をもたらす恐れもある。

バージェス博士は、海洋熱波の頻度が増すことで、すでに「海洋生態系とそれに依存する地域社会がますます圧迫されている」と述べた。