【米中間選挙2026】 トランプ政権、アラスカで共和党の上院現職が僅差で敗れたら結果認定阻止求めると提訴

黒っぽい野球帽に、紺の上着、チェックのシャツを着たダン・サリヴァン氏が、マイクに向かって話している。右隣にはダークスーツに赤いネクタイのトランプ氏が、口を閉じ、前方を見て立っている
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11月3日に米中間選挙を控える中、アメリカのドナルド・トランプ政権は22日、アラスカ州の連邦上院選で共和党の現職ダン・サリヴァン上院議員が僅差で敗れた場合、選挙結果を認定しないよう州に求める訴えを起こした。同州の上院選には、サリヴァン議員と同姓同名の新人が立候補しており、有権者が混乱する可能性があるなどと政府は主張している。

米司法省は、22日にアラスカ州の連邦地方裁判所に提出した訴状で、ダン・サリヴァン氏と同姓同名の新人候補の名前が投票用紙に記載されれば、一部の有権者が誤って新人候補に投票する恐れがあると訴えている。

世論調査では、現職のサリヴァン上院議員と民主党候補メアリ・ペルトラ氏が接戦を繰り広げている。11月3日の投票が迫る中、ペルトラ氏がわずかにリードしている。

ドナルド・トランプ大統領は23日、選挙集会に出席するためフロリダ州へ到着した後、この訴訟について記者団から質問を受けた。トランプ氏は、「(提訴するよう)言ったのは私だ」と答えた。

トランプ氏は、新人のサリヴァン氏が立候補したのは「詐欺行為」だと主張。これを阻止するために政権が「強力な法的手段」を検討していると述べた。

元教員の新人ダン・J・サリヴァン氏の名前を投票用紙から除外しようとするこれまでの動きは、アラスカ州最高裁判所によって退けられている。

11月3日の中間選挙でサリヴァン上院議員は、共和党現職の候補として投票用紙に記載される。

アラスカ州は「順位づけ投票方式」を採用している。これは、有権者が4人の候補者に順位をつけるというもの。つまり、有権者が現職のサリヴァン氏と新人のサリヴァン氏の両方を上位に選ぶ可能性がある。

司法省、「選挙の公正性」が損なわれると

司法省は裁判所に提出した文書で、新人のサリヴァン氏の名前が記載された投票用紙によって汚れたいかなる選挙結果」が含まれるなら、アラスカ州は「選挙の公正性を守る義務を果たせない」と主張した。

新人のサリヴァン氏は、アメリカの森林局に勤めていたこともある。報道によると、かつてはアラスカ独立党の党員だったが、今年に入って共和党員として登録した。

スタンリー・E・ウッドワード・ジュニア司法次官は訴状で、新人のダン・J・サリヴァン氏が立候補した唯一の目的は、現職上院議員の得票数を減らし、ペルトラ氏の選挙活動を有利にすることだと主張した。

ウッドワード氏は、「ダン・J・サリヴァン氏の名前が投票用紙に記載されれば、サリヴァン上院議員に投票しようとする有権者が混乱したり、誤解したり、ひいてはアラスカ州有権者の意思をゆがめる可能性が非常に高い。これを踏まえると、選挙結果の認定が、高潔さを欠いた選挙プロセスを反映したものとなる可能性が非常に高い」としている。

新人のサリヴァン氏は、政権側の主張を繰り返し否定している。今年初めには、地元紙ピーターズバーグ・パイロットに対し、ペルトラ氏の選挙陣営の「誰に話をすればいいのかさえ知らない」と語っている。

また、「コートハウス・ニュース」との別のインタビューでは、「有権者が、自分たちが誰に、何のために投票しているのかを理解していることを心から願っている。しかし結局のところ、選択肢があるのはいいことだ。有権者の意図は、立候補している候補者と同じように多様なので」と話した。

ペルトラ氏勝利なら結果認定の延期を

トランプ政権の訴状は、民主党候補のペルトラ氏が勝利し、現職のサリヴァン氏との票差から有権者の混乱が疑われる場合、選挙結果の認定を延期するよう求めている。

認定を先延ばしにする間、有権者が同姓同名の現職と新人を取り違えていたかどうかを調べるとしている。新人の名前が投票用紙に記載されていなければ、どのような結果になっていたかを判断するために、「必要かつ適切な」措置を講じるともしている。

現職のサリヴァン議員とペルトラ候補は、これまでのところ訴訟についてコメントしていない。

アラスカ州の連邦上院選は、今回の中間選挙で最も注目される選挙戦の一つとなっている。2024年米大統領選でトランプ氏は、同州で14ポイント差で勝利した。

しかし、有権者は物価上昇やイランとの戦争に対して不満を募らせており、同州でのトランプ氏の支持率は大きく低下している。