フライドバイ機の副操縦士、テルアヴィヴの空港かビルへの衝突を計画=報道

画像提供, Reuters
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイからイスラエル・テルアヴィヴに向かっていたUAEの旅客機が緊急信号を発出したあと、サウジアラビアの空港に緊急着陸した事件で、同機をハイジャックしようとしたとされる副操縦士は、機体をテルアヴィヴのベングリオン空港か同市の高層ビルに衝突させる計画を立てていたと、アメリカとイスラエルのメディアが4日、報じた。
複数報道によると、副操縦士はUAEで取り調べを受けている。オマーン国籍で、氏名は「ハマム・アル・ハマミ」とされる。過激派組織や外国政府のために行動したのではなく、「一匹狼」タイプの過激な人物とみられるという。
イスラエルのメディアは副操縦士について、スミット・マッチャール機長を襲った後、イスラエル領空へと飛行を続け、ベングリオン空港から着陸許可を得るつもりだったと供述していると、複数の捜査関係者の話として報じた。
報道によると、副操縦士は、乗客180人以上が乗っていたボーイング737MAX型機を、2001年9月11日に国際武装組織アルカイダがアメリカでの同時多発攻撃で実行したのと同様の手法で、テルアヴィヴの空港か市中心部の高層ビルに衝突させる計画を立てていたという。
副操縦士は、以前もテルアヴィヴ行きの便をハイジャックして衝突させるつもりだったが、機内に知り合いがいたため考えを変えたと、捜査員に話したという。
こうした報道について、UAEやイスラエルの当局は、すぐにはコメントしていない。
9月30日にUAEの航空会社フライドバイのFZ1073便で起きた今回の事件では、副操縦士は操縦室に備え付けられていた緊急用のおので機長を襲って負傷させたあと、乗客に取り押さえられた。この便に乗っていた別の操縦士が、機体をサウジアラビアに無事着陸させたとされる。
UAEのハマド・アル・シャムシ検事総長は3日、同国の捜査によって事件の全容や犯行の動機、背景が明らかにされ、その結果が発表されると述べた。検事総長はこれまで、副操縦士が「テロ行為」を実行しようとしたとの見方を示している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は副操縦士について、「イスラム過激派の思想教育」を受けていたとしている。また、機長と乗客、別の操縦士が「9/11(米同時多発攻撃事件)のような惨事」を防いだとしている。
今回の事件では、フライドバイがどのように今回の副操縦士を採用し、イスラエル人を乗せたテルアヴィヴ行きの便を担当させたのかなど、セキュリティー面での重大な不備をめぐる疑問も出ている。
湾岸地域の当局によると、この副操縦士はオマーン国営のオマーン航空で勤務していたとき、過激思想への懸念から、操縦を禁じられて事務職に異動させられていたという。
その後、フライドバイに採用されたが、その際の標準的な身元調査では、過激思想をうかがわせるものがないかといったことは調べられなかったという。
イスラエルの航空規制では、同国と正式な外交関係をもたない国の操縦士は、イスラエルへのフライトを運航することが許可されないと規定されている。オマーンはイスラエルとの間で外交関係がない。
湾岸地域の当局は4日、UAE当局がFZ1073便の出発前に、乗客と乗員のリストをイスラエル側に提供していたと、AP通信に説明した。
イスラエルの国内治安機関シンベトは、外国の航空会社のそうしたリストをチェックするのは運輸省の責任だとしている。
一方、ミリ・レゲヴ運輸相は、同省には乗客・乗員のリストが提供されていないと主張。外国航空会社が運航するフライトの安全管理は、シンベトと、対外情報機関モサドの管轄だとしている。
イスラエルのネタニヤフ首相は、「イスラエルへの外国民間航空に関する安全のあらゆる観点」について見直すよう、国家安全保障会議の議長に指示した。
他方、オーストラリア当局は、副操縦士と同国のつながりについて捜査を進めている。現地メディアは情報筋の話として、副操縦士が2015~2017年に同国に留学していたと報じている。














