ウクライナとロシアが大規模攻撃、互いに少なくとも7人殺害

動画説明, ウクライナのドローン攻撃がモスクワ州各地を直撃(一部、無音映像)
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ダン・ジョンソンBBCウクライナ特派員(キーウ)、ティンシュイ・ユン記者

ロシアとウクライナは15日から16日にかけて、互いに大規模攻撃を展開し、それぞれ少なくとも7人を殺害した。ロシアはここ数週間、ウクライナ全土へのミサイル攻撃を激化させており、ウクライナ側もロシア領内深くに届くドローン攻撃を強化している。

モスクワ州のアンドレイ・ヴォロビョフ知事によると、ウクライナは夜間にドローン822機で攻撃を実施。そのうち600機がモスクワ州を標的とし、首都モスクワは「近年まれに見る大規模なドローン攻撃」を受けた。ウクライナが連日標的にしている、ロシアのオンライン小売業者ワイルドベリーズの倉庫も攻撃された。

ロシア南西部ロストフ州の知事によると、夜間の空爆で5人が殺害された。

ウクライナと国境を接するベルゴロド州の当局者によると、民間バスが攻撃され女性1人が死亡した。また、モスクワ州のヴォロビョフ知事によると、同州ではドローン攻撃で83歳の男性が死亡した。

首都モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長は、首都中心部から25キロ離れたコレディノにあるワイルドベリーズの倉庫が攻撃され、3人が負傷したと、発表した。映像には、倉庫から炎と大きな煙が立ち上る様子が映っている。

「ロシア版アマゾン」とも呼ばれるワイルドベリーズは、7月以降、繰り返しウクライナによる攻撃の標的になっている。ウクライナ政府は、ロシア人が軍事装備品を購入するために利用する物流拠点を標的にし、ロシア軍への物資供給を妨害していると説明している。

ウクライナ国防省は、今回の攻撃により、ワイルドベリーズの最大規模の物流センター10カ所のうち7カ所が「機能停止」したと発表した。

両国は、相手が民間人を標的にしていると非難し合っている。

一階建ての店舗が並ぶ夜間の市場一帯で大規模な火災が発生し、オレンジ色の炎に照らされた煙が夜空に立ち昇っている

画像提供, Reuters

画像説明, ロシアのミサイル攻撃で書籍市場が炎上した(16日、キーウ)

ウクライナでは、ザポリッジャ州当局が、民家が誘導爆弾に直撃され、66歳の男性と64歳の女性が死亡したと発表した。 ドニプロペトロウシク州クリヴィー・リフでも、2人が死亡した。

スーミ、ドネツク、ヘルソン各州の当局者も、それぞれの州で死者1人が確認されたと報告。スーミ州の死者は、ドローン攻撃で殺害された51歳の男性だという。

首都キーウでは、ロシア軍の攻撃を受け、夜間に空襲警報が4回響いた。ヴィタリ・クリチコ市長によると、子供を含む少なくとも6人が負傷したという。

ロシアは、キーウに対する15日夜の攻撃で、ウクライナのフラミンゴミサイルの部品を製造するファイアポイント社の施設と、ドローンの部品を製造する工場を標的にしたと発表した。

キーウ市内ポチャイナ地区では、書籍市場がロシアの攻撃を受け、大規模な火災が発生した。焼け焦げた本が地面に散乱する中、消防隊員が消火活動を続けた。

ヴァレンティナさん(69)の夫は、この書籍市場で露店を経営した。

ヴァレンティナさんはがれきを見ながらBBCに、「通りに散乱している本はすべて、夫が売っていたもの。地面に落ちているのを見て、すぐに分かった」と言い、「まさか自分にこんなことが起きるなんて、思ってもみなかった」と話した。

レコード店のオーナー、ルバさん(42)は、50万フリヴニャ(約180万円)相当の在庫を失ったとBBCに話した。

「この店は自分にとって、大事な子供みたいなものだった。破壊されたレコードの多くは希少で、二度と手に入らないものだった」とルバさんは言い、「ロシアが地球上から消えてほしい」と強調した。

濡れた地面に多くの本が散乱している
画像説明, 書籍市場が攻撃され、書籍が地面に散乱した。写真の本は、ヴァレンティナさんの夫が経営する店舗のものだという

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今週13の州が攻撃を受け、ロシアが攻撃用ドローン1550機以上、誘導爆弾約1560発、ミサイル62発を発射したと述べた。

「ロシアは弾道ミサイルが届く範囲ならどこでも、民間のインフラを攻撃する」と大統領は述べた。

ウクライナはロシアの弾道ミサイルを迎撃するために、アメリカからのパトリオット迎撃ミサイルの供給に何年も頼っていた。しかし、アメリカはイランとの戦争で多くの備蓄兵器を使用しており、パトリオット・ミサイルをこれ以上手放すことには消極的だ。

ドナルド・トランプ米大統領は7月初旬にウクライナにパトリオット・ミサイルの製造ライセンスを供与することを申し出たが、後に「そのような技術を無償で提供する」ことに同意したのではないと述べた。

ウクライナは戦争において西側諸国の支援に頼るだけでなく、自国での革新的な技術開発を迫られてきた。ロシア領土の奥深くへの攻撃は、ウクライナ製のドローンによって行われている。

ウクライナのミハイロ・フェドロフ前国防相は、BBCがアメリカで提携するCBSニュースに対し、ウクライナは3~6カ月以内に国産弾道ミサイルでロシアを攻撃できるようになると話した。

ロシアは2022年2月にウクライナ全面侵攻を開始した。今ではウクライナ領土の約2割を支配している。

両国は長距離の前線で消耗戦を続けており、それぞれ戦果はわずかなものにとどまっている。その間、戦いは主に空中戦へと移行し、ミサイルやドローンの応酬によって互いの戦闘能力を低下させることを目的とした戦闘が繰り広げられている。